プライベートエクイティファンドの面接で聞かれることの例

面接でどのようなことを聞かれるか。それを事前に把握することで、心積もりができますので大切なことです。よく聞かれますのでブログに書いておきます。


以下は先日、某プライベートエクイティーファンドの面接を受けた方(PE業務未経験)が聞かれた内容です。


・自己紹介
・なぜプライベートエクイティーファンドを志望するのか。
・なぜ当社を選んだのか。
ベンチャーキャピタルとPEの違いは何か。
 −ビジネスモデルの違いと経営へのスタンスの違いなど
 −収益モデルの違いなど
・PE業務にはソーシング、バリュエーション、エグゼキューション、モニタリングなどの業務があるが、その中でどの役割を担いたいか。
 そのために必要な能力は何だと思うか。


PE業務未経験とはいえ、PEファンドのビジネスモデルや業務内容を理解していないと答えられない内容だと理解いただけると思います。「頑張ります」「やる気はあります」で面接をパスする業界もありますが、PEファンドは少数精鋭で一人ひとりの負荷が大きいので、やる気だけではパスできません。未経験であればなおさら、業界について書かれた本を読むなどの事前知識を得てから面接に臨まれた方が良いと思います。


業界について簡単に説明しますと、プライベートエクイティーファンドは、Private Equity、すなわち未公開株に投資をするファンドです。バイアウトや再生を促すなどの種類があり、それぞれ、バイアウトファンドや再生ファンドと呼ばれることもあります。これらのファンドの存在意義はひとつには、資金調達手段が銀行からの借入に代表される直接金融や株式市場での株の発行などの間接金融のどちらにも適さないフェーズの企業に資金を提供することで、企業の成長ないしは再構築を促すことにあります。具体的に言えば、上場企業が株式市場の投資家の短期的利益追求姿勢にそぐわない状況になったときや、会社の財務状況に問題が発生し銀行が貸してくれなくなったときなどに銀行や株式市場の投資家に代わって投資ファンドが資金を提供します。


投資ファンドは投資家から預かったお金を運用し、適切なリターンを上げることが目的です。ときに、ファンドが主体的に投資先企業のバリューアップに携わるべく、経営にも関わることはありますが、あくまでも投資対象の企業価値を上げるための手段です。
事業オペレーションに関わることでバリューアップすることもあれば、ファイナンスレバレッジでバリューアップすることもあります。むしろレバレッジ効果のほうが大きいようです。これが金融機関出身者がファンドに多い理由です。従って「将来経営者になりたい」という希望を伝えることは必ずしも好ましくはありません。志望動機などで迷われたらご相談ください。