不動産と採用の二極化

先日、不動産金融に関するセミナーに参加しました。私たちが日々人材紹介業を通じて感じていることを客観的な意見を聞くことで再認識したかったからです。


不動産金融を取り巻く環境は、一年前の活況を呈していたときよりは落ち着いていることは間違いありません。Debtがつかなくなっている(すなわち銀行などがお金を貸さなくなっている)ので、再借入が出来ない不動産は手放さざるを得ないという話は良く聞きます。一方で、日本の不動産に投資をしたがっている投資家(特に海外資金)もまだまだ多いという話も良く聞いていましたし、先日のセミナーでもその話が出ていました。現に私たちも海外資金が流入したことに関連する求人は引き続き多く頂きます。確かに昨今はクレジットクランチの様相になっているわけですが、エクイティの流入(すなわち機関投資家による不動産投資)は衰えていないので、劇的なマーケットの崩壊はないだろうというのが、セミナー講師の見解でした。ただし、投資家はAクラスのオフィスビルなどのリスクの低い不動産を投資対象とすることが多くなり、それ以外の不動産にはなかなか資金が回っていないおらず、二極化は相当進んでいるようですので、一概にはいえませんが。人材採用という視点から言っても、比較的積極採用しているところもある一方で、完全にストップしたところもある、ということで同じく二極化しています。


一方、最近、お会いする方々との雑談の中で「不動産は厳しいでしょう」という話題がよく出ます。不動産の仕事と関係のなさそうな方もそのように言うので、何かデータに基づいた観測や実体験に基づいた話ばかりでもないとは思うのですが、何となくみながそのように思っているということが、「時代の空気」というものなのかもしれません。リートも相当割安なまま放置されているものも多いようですが、このまま破綻などがあれば「やはりそれを予見した価格だった」ということなるでしょうし、危機が回避され値上がりを始めれば「時代の空気に流されずにあのときリスクを取っておけばよかった」ということになります。就職も同じ。結局は自分の判断が大切ですね。