採用担当者の判断材料

二十代の方をご紹介した外資系証券会社のMD(マネージングダイレクター)から二週間経って合否の連絡をいただきました。

結果は書類通過ならず、不合格です。そのMDからご丁寧なメールと電話を頂きました。

「考えあぐねて返事が遅くなりました。若いがゆえにポテンシャルという魅力がある一方で、今の自分たちの体制では仕事を教える余裕がない。適当にやれることだけやっておいて、といったアバウトな指示しかできないことが想像され、結果として育てることが出来ない可能性が高い。そうなると不幸ですので今回はあきらめます」とのこと。真剣に考えていただき、それを丁寧にフィードバック頂けて、候補者の方と私たちエージェントにとって、大変ありがたい方です。


そのMDには、以前同様のスキルの方を採用し育てられずにお互いに不幸だった経験があったのではないかと思います。その経験から、状況をリアルに想像することができたので慎重な判断をされたのでしょう。

一方で、他人が積極的に関与しなくても環境で自ら育つタイプの方をたまたま採用できた経験を持つ採用担当もいらっしゃいます。そういう方は未経験者の採用に積極的なこともあります。


採用方針には採用する方の経験、成功体験、失敗体験が影響します。私たちは求人情報のヒアリングをする際には、採用する方がどんな経験をされたのかを伺い、かつ私たちや他社様の成功体験、失敗体験をフィードバックしています。そうすることで不幸な採用、転職が少なくなると思っています。一件一件が違い、双方向のコミュニケーションがあり、おもしろいなと思います。