増えています、求人も。

昨今は脳ブームらしいのですが、かくいう私も脳に興味津々な時期があり、何冊か本を読んだことがありました。


左脳は論理で右脳は直感を司るという話はよく聞きますが、読んだ本のなかには、別の視点で左脳と右脳を論じている本がありました。


その理屈はこうです。
不幸にも事故などで左脳または右脳が使えなくなった方のその後の生活を観察したところ、右脳が使えなくなった方は事故前と変わらない生活を送ることができるのに対して、左脳の機能が麻痺した方は日常生活を送ることがきわめて困難になったというのです。左脳を喪失した方は、何をするのも新鮮でたとえば、「こうやってスプーンを持つんだ」とか、「このボタンを押すと電気がつくんだ」とか、今まで当たり前の日常生活のひとつひとつが新しい体験になったそうです。新しい体験を覚えることができれば問題ないのでしょうが、残念ながらその新しい体験を覚えている事ができず、しばらくするとリセットされてまた学習しなければならず、それゆえに日常生活を送ることが大変困難になったとのことでした。


この事象から導かれる仮説は、新しいことは右脳が吸収し、その知識や体験は左脳に移される、そこで初めて自分のものになるということだと、その著者は論じていました。
逆に言えば、ある程度知識や体験を積み重ねた大人であれば、右脳機能を失って新しいことを吸収できなくとも、左脳からこれまでの知識経験を動員して生きていけるということです


年を重ねると脳が堅くなるという話はよく聞きますが、上記の仮説を聞いて以来、脳が堅くなるという現象は、右脳の機能が落ちる(または右脳と左脳をつなぐ神経回路がうまくつながらなくなる)ということなのではないかと思ったりします。



さて、転職市場に話を向けますと、転職市場では35歳以上では困難さが増すと、一般的には言われています。
35歳以上のほうが業務経験もマネジメント経験もあるので、経験分野では、むしろ35歳以上のほうが高く評価されるケースも多いと思います。ですから、私は必ずしもそのような一般論を肯定はしません。当社で扱う求人も35歳以上を対象としているものもたくさんあります。


一方で、キャリアチェンジという視点からすると35歳以上は困難を伴うことは事実です。


上記のような脳科学云々のややこしい話をしなくとも、新しいことを吸収する能力は若い人の方が高いことが多いというのが採用サイドの経験則からの意見なのだろうと思います。


もちろん、新生銀行の八城社長のように齢70を越えて新しいことにチャレンジできる方はいらっしゃると思いますが、それはレアケースであり、そのレアな確率にかけて採用を行う会社がたくさんあるわけではないので。。たとえ新しいことを吸収できたとしても、それを証明することは難しいですから。


私もすでにそのキャリアチェンジが困難な世代に突入しています(苦笑)。私自身がキャリアチェンジする可能性は低いわけですが、それでも右脳の機能を磨いて、新しいことを吸収できるようにしておきたいと思うのであります。



長くなりますが、上記の話にかこつけて最近の転職市場の求人ニーズについてコメントしますと・・・

求人数自体は増えたというものの、エリアによってまばら模様です。
たとえば、ファイナンスエリアの求人は引き続き少ない一方で、アドバイザリーエリアでは求人数が増えて、需給が逆転しており、ダイレクトな経験を持つ方の採用が徐々に困難になってきています。


人材ニーズはあれど経験者が転職市場に少ない分野では、「ダイレクトな経験はないが求めている分野と多少なりとも経験が被る方(転職市場ではこれに該当する方を”未経験者”と呼びます)」を採用することがありますが、そのような未経験者採用の場合には、上記のような理由から20代か30代前半までが望まれます。そのため、現在は若手の求人が多いという印象を持つ方が多いのだろうと思います。


しかし、事実としては多くの方がもたれている印象とは違い、若手だけではなく、会社が伸ばしていきたい分野での経験が豊富な人材については、非常にほしいと思っている会社は好不況に関係なく、多いものです。


たとえ、今その業務分野がクラッシュしており、今すぐにニーズがなくとも、業務分野が回復したり、会社をとりまく個別事情(*)が変化すればすぐに需給が変わります。転職市場もマーケットものですので、日々刻々と変化します。


(*)そう、この”会社をとりまく個別事情”という要因があるので転職市場では求人ニーズの仮説を立てるのが非常に困難です・・これはまた別の日に書きたいと思います。



いずれにせよ、求人市場は個別性が強いので、是非、随時・個別にお問い合わせくださいね。


結局はこれが言いたかったのですが、今日はたくさんの話題を書こうとしすぎて、我ながら支離滅裂になりました。。。失礼しました。

お花見

rikako-kotora2010-04-06


仕事とは関係ありませんが、千鳥が渕まで毎年恒例のランチタイムお花見に行きました。


毎年同じ光景ではありますが、いいものですよね♪


本当は皆で撮った写真をアップしたかったのですが、太陽の光をあびてかなり光っている人がいたので、今年は桜の風景だけにしました(^^;

濃縮された環境

昨日はとある新規のお取引先を訪問しました。


訪問前にホームページでメンバーの経歴を確認したところ、
よくぞこんなにバックグラウンドがしっかりしている方々を
そろえたものだと驚きました。


学歴、職歴が一流であることに加えて、経験した役職などから
おそらくほとんどの方が人間力やリーダーシップも高いと
想像されたからです。


実際にお会いした印象も、非常に忙しい方々でしょうに、
訪問相手に忙しさを感じさせず、
逆に「我々は今、貴方との時間を大切にしている」という雰囲気を出されます。


時に当方も的外れな質問をしているに違いないのですが、
全ての質問に対して丁寧な回答が返ってきます。


高いポジションであったり実績があったり忙しかったりするような方の場合、
時に強烈に自負心が強く、高圧的な対応をされるケースもありますが、
突き抜けた方は常に謙虚なのかもしれません。
違うものだなと感心しきりです。


私なんぞは人間がまだまだ小さいので、
忙しいときにあのような余裕を持った対応をしていないのではないかと、
我が身を振り返り反省するのでした。



しかし、まあ、いずれにせよ、そのファームは優秀な人材が
濃縮されているファームです。



優秀な方の中にはどんどん優秀さが濃縮された環境に身を投じていく方も
多いなぁと、改めて思いました。


たとえば、小学校で一番成績優秀な人が、地域の有名な中学、高校に入り、
その中でも優秀な人が日本や世界の中で有名な大学に入り、
その中でも数本の指に入るような優秀な人がエクセレントカンパニーに入り、
そのエクセレントカンパニーで実績をあげた人が、
たとえば前述のようなファームに入るといった具合で・・・、
濃縮にもきりがありません(苦笑)。


当然、濃縮されればされるほどそのなかでの競争も過酷になります。


過酷な競争環境に身を投じる方の場合、つねに競争していることで
自らの成長が促されている実感がわき、そしてその成長こそが
その方の生物体としての快感なのだろうと思います。



もちろん、過酷な競争環境から出て、自分のペースで生きていきたいと
考える方もいると思いますし、
優秀さの濃度が薄まった環境の方が自分の存在価値が実感できる
という方もいると思います。
それはそれでよい選択ですよね。


転職というのはそういう選択肢を増やす手段であります。


この十数年で日本の転職市場も厚みを増し、
いろんな選択ができるようになってきたのは
とても良いことだなと改めて思うのであります。

どこに評価軸を定めるか


浅田真央選手が銀メダルを取りましたね。他の選手が銅メダルを取った後に「満足していない」とコメントしたときには、「銅メダルを取れただけでも快挙なのに、満足しないとはなんと欲深い」と違和感を持ったのですが、今回の真央ちゃんの悔し涙には共感し、好感を持ってしまうのは、単に私が真央ちゃんファンだからなのか、他の人も同様に感じるのか、、、よく分かりませんが、なにはともあれメダルが取れてめでたいことです。


浅田選手のように並々ならぬ才能を持った上で、常に努力を続けることは大変なことだとは思いますが、一方で競技スポーツの世界は目標がシンプルなので少しうらやましくもあります。


オリンピックでいえば、やはりメダルを取ることが目標になるのでしょうから、評価軸がすでに決まっています。


一方、社会人の場合、その評価軸そのものを自分で決めなければなりません。


例えば、大きな組織で出世するということが自分の評価軸の方もいるでしょうし、お金をいかに稼げるかということが大事な方もいるでしょう。また、小さい組織でもマネジメント層になるということも一つの目標ですし、お客様からの直接の満足をどれだけ獲得するかを目標と考え生涯現場でやり続けたいと考える方もおられます。ビジネスのプラットフォームを国内と置くのか、グローバルと置くのかも価値観の一つですし、もちろん、安定第一という方も多いと思います。


しかも、社会全体の価値観も変化します。そして、年齢によっても持つべき価値基準も変わります。評価軸を臨機応変に変えていくのか、それとも確固たる評価軸を持ち続けるのか、これも自分で判断して決めなければなりません。


これらのいろんな価値観の中から、自分の評価軸を決め、努力の方向性を定め、そして努力をする。努力という実行のフェーズまでに複雑系の世界を通ならなければならないのが、社会人です。なんとも大変なことです。


たいへんだという抽象論だけでは物事は前進しないので、転職エージェントとして情報をひとつ。


転職市場では最近の常識なので改めて書くほどでもないのですが、年が明けてから外資系金融機関、外資投資銀行の求人が復活しました。


特にアナリスト、アソシエイトの若手層はどこのファームも採用意欲が満々です。仕事の評価軸を「稼ぐこと」や「グローバルなプラットフォームで仕事をすること」に決めた方にとって、外資系金融機関へのチャレンジは、成果を出すための有効な手段です。


もちろん、リスクは伴いますが、今までの自分と違う演技にチャレンジした真央ちゃんのように、リスクをとらないと成長がないのも事実であります。

最近の市場

なんだか秋口以降、とても忙しく、かなりご無沙汰をし、失礼をいたしました。


最近は随分と外資系の求人が増えてきました。雇用というのは下方硬直性があるので、本来、景気の遅行指数なのですが、外資系は比較的下方硬直性が少ないので、先行指数としてもみれるのかもしれません。


昨年は外資系求人がほぼ壊滅しましたが、今年は安定的に増えそうな気配なので、特に若手層の人材需給が逆転しそうであります。


ふう。今日も忙しいのでこの辺で。といいながら、青山、六本木から大手町の間を日々うろうろと動き回っていますので、お声かけくださいね。

ヘッドハンターに声をかけられる人材?

今日たまたまとあるインタビューを受けて色んなことを聞かれ、改めて色んなことを考えました。


例えば、「どうしたらヘッドハンターに声をかけられる人材になれるのか」という質問を受けました。インタビューアーいわく、若い多くの人は30代後半、40代になったときにヘッドハンターから声をかけられる人材であるためには何をすべきかを考えるのだそうで、その参考になることを話して欲しいとのことでした。



ここで注意しなくてはならないことは転職しやすい要件を持つ人−すなわちヘッドハンターが声をかける人−と、中長期的に優秀な仕事をする人とは必ずしも一致しないということです。


たまたまやっている仕事がブームのときは他社も忙しいですから、たくさん声もかかるでしょう。また、ジェネラリストよりもスペシャリストのほうが転職しやすいので、ヘッドハンターの眼にもとまりやすいですね。しかし、いわずもがな、ジェネラリストも組織の中では重要な役割を担っているわけで、スペシャリストとジェネラリストという分類は能力のたかを測るものではありません。



まあ、もてないよりもてた方が気分が良いでしょうけれど、転職しやすいからといって、その後成功するかどうかは別問題ですよね。当たり前のことでしょうが、大事なのは声がかかるかより、選んだ環境で活躍できるかどうかだと思います。

最近の求人動向雑感

私はあまり人見知りをしないほうなので、会合があれば出掛けてゆくたちですが、時々の景気動向によって会合で話しかけられる内容が大きく違います。


例えば、一昨年くらいまでの採用狂乱時期には
「大西さん、良いところに来た!うちで人探してるんだけど、誰か良い人いない??」
でしたが、リーマンショック以降は
「知り合いの転職相談に乗って欲しいんだけど、何か案件あるかな。」
という具合で、180度違います。


需給はいつも安定せず、極端から極端に振れますね。。だからこそ人材エージェントの介在価値があるのでしょうから、我々の業界の宿命のようなものです。


最近は「景気も落ち着き求人が復活しているようだけれども、どんなところが活発なの?」という質問を多く受けます。確かに、例えば少し前まではミッドキャップM&Aエリア求人が目立って活発でしたし、デューデリジェンス関連も増えてきました。不動産エリアでもアンダーライティングのポジションが出てきましたし、動きは少し活発になっているように思います。


ただ、景気先行きについて企業によってまたまだ考え方が違いますし、体力を回復しつつある企業とそうでない企業の差があるため、戻り方は一様ではありません。


まだ、マクロ要因というよりは、個別企業のミクロ要因によってぱらぱらと発生している状況のように思います。こういう時期はきめ細かい情報収集が欠かせませんね、ガンバリマス。