面接の心得

いろんなサイトに「面接の心得」が載っているので、あえて私がコメントをすることもないのですが、先日、ちょっとしたエピソードがありましたのでご紹介します。


私たちが現在転職のサポートをしている方がとある企業の面接に行かれました。その方はとても優秀で、実績も自信もあり、という雰囲気を体全体から感じる方です。


優秀だからでしょう、その人は今まで人に誘われて会社を移っており、実は主体的に転職をするのは初めてでした。


こういうタイプの方は意外と「やりたいこと」を強烈に持っていないことが多いのです。要するに、「自分のやりたいこと」よりも「他人から求められること」を優先しているタイプです。日常の仕事では、自己満足を追及する人よりも、顧客や一緒に働く人からの要望に応え、足元の実務をしっかりこなす人こそが成果を挙げるものでしょうから、たいへん麗しいことです。


一方で「周りからの期待に応えてきた」という自信は、面接という特殊な環境では、ときには消極的な印象に映ってしまいます。実際に、上記の方の企業フィードバックは「一緒に働くイメージがつかなかった」というものでした。要は、人は分からないものに対して、評価できないわけです。


なぜ消極的な印象になるのか。


まず、今まで積極的にPRしなくとも優秀であることが認められてきたため、自己をPRするということが習慣付いていない。そして、選択権は自分にあると信じているため、面接の場では「自分のPR」よりも「相手の理解」に意識が向いてしまう。かつ、「やりたいことは?」「なぜ当社?」と問われても、いまひとつ説得力のある回答が出来ない。


そんな理由だと思います。


ではどう解決するか。以降はテクニック論です。


まず、面接のシュミレーションを行います。想定問答集を作って、それに対する回答を考え、実際に声に出してみること。実際に声に出してみると、意外に説明が長すぎたり、思っていることが文章にならなかったりすることに気づきます。模擬面接に付き合ってくれる人がいればそれでもいいでしょうが、鏡に向かってしゃべってみるのでも結構効果があります。


どんな質問が来るのかは、面接者の個性によって違いますので、それこそ面接の際の臨機応変さが必要ですが、以下のポイントはまとめておいたほうがいいでしょうね。


◆自分の長所・・(仕事をする上でいかに有益になる性格かをPRします)
◆自分の短所・・(短所がない人はいないので、「ありません」ではダメです)
◆転職理由・・・・(一貫性や論理性があることが大事です)
◆実績・・・・・・・(具体的な例を出しながら)
◆成功失敗体験・・(これも具体的に)
◆志望動機・・・・(会社のことを調べているかどうかが問われます)
◆会社への質問・・(入社への興味の度合いが測られます)
◆会社に貢献できる点


いずれにしても、面接官は貴方がその会社で仕事をしている姿をイメージしようとしています。イメージした結果、当然フィット感がなければ「ご縁がない」ということになりますが、イメージできない場合(=すなわち貴方のイメージが漠然としている場合)も「ご縁がなかった」ということになります。自分の情報を提供する姿勢が大切と思います。