チェックポイント

金曜日は銀行の先輩とそのご友人で私も仕事上の付き合いがある方と三人で飲みに行きました。店は先輩がぐるなびで選んだ、先輩自身初トライの店だったそうなのですが、雰囲気もよく料理も美味しいお店でした。


先輩いわく、最近、ネットを見て選んだ店で外れたことはないのだそうです。ぐるなびに限らずネットに掲載される広告では写りの良い写真を使っているため、写真情報ではあてになりません。なのでどうしたらいいか分からない私などは、美味しいかどうかの情報はネットの口コミ情報に頼るわけですが、それとて評価の高い店に実際に行ってみると自分の求める雰囲気と異なったりすることはしばしばです。私にとって初めての店で「はずさない」のは至難であり、外さなかったとしてもそれは偶然に過ぎないのです。


そこで、その道の達人である先輩に何故外さないのか理由を聞いてみました。いわく「三つほどポイントがあってそれを見ている。」とのこと。「ひとつは酒の銘柄。○○という酒がおいてある店はこだわりがある可能性が高い。もうひとつはメニュー。○○は素材に自信がないと出せないので○○があればそこの料理はたいてい美味しい。三つ目はチェーン展開していないこと。」 と教えてくれました。なるほどー。特に一二番目のポイントはそういうところを見るんだと、すごく勉強になりました。


話はやや飛躍しますが人材採用も似た面があると思います。


面接ではたいていの人は自分を売り込みますので本当の姿はみえづらく、結局元気がいいなどの第一印象が採用基準になってしまうこともあります。元気がいいことと仕事ができることは必ずしもイコールでないのでそれに依存すると残念ながら失敗します。


入社して活躍する人材を見抜くには、どんなチェックポイントをもつべきか。活躍する人材は会社によって違うので、会社ごとに試行錯誤して学習してゆくしかない気がします。かくいう当社でも試行錯誤しています。ポジティブチェックリストは難しいので、今でも確立はしていませんが、ネガティブチェックリストは比較的簡単なのでいくつか。


例えば30歳以上で、やったことがないことを出来ると断言する方には、どうしてそう断言できるのかしつこく聞きます。出来ることと出来ないことの切り分けができていない可能性が高いからです。ほかには将来について多く語る方についても注意をすることにしています。将来にばかり目がいき、大事な足元が疎かになっていて、実際の仕事の場面では実務が出来ない場合があるからです。計画を立てることは大切ですが、実行が伴っていないと計画はかえって害があることもありえますから。


同じように会社を選ぶ側、すなわち就職希望の方にも会社選択のチェックリストが必要です。しかし、人生にそう多くない就職や転職の場合、試行錯誤できる機会が少ないので、より難しい判断を強いられると思います。われわれは数多く転職を擬似体験しているので、その体験を転職希望の方に還元することもわれわれの役割と思っています。