新聞の文化欄

日経新聞の文化欄は面白いのでよく読みます。今月の「私の履歴書」は潮田さん(住生活グループ前会長)のお話ですが、苦労と波乱に満ちた展開で、今後どのように成功していかれるのか、とても楽しみにしています。もっとも「私の履歴書」はあまりの成功物語に「記憶はうそをつく」という養老猛先生の言葉を思い出してしまうこともありますが、今月の潮田さんのお話はお人柄なのか、真実味が合ってとても心打つ内容です。


一方で、その横に掲載のある「文化」の記事もよく読んでいます。何かにこだわりを持つ人が寄稿している欄ですが、人それぞれこだわりやユニークな趣味があるんだなといつも関心しきりです。例えば「犬の視線を研究するために犬の頭にカメラをつけて分析している人」や「四角い砂糖の包み紙を世界を回って集めている人」など、はっきり言って変わった研究、趣味の方々の話が載っていることがあるのですが、そういう話が好きですね。しかも、ちょっと知性を感じる論理的文章で、かつ白黒の新聞記事に大真面目に載るというギャップが楽しいのです。


本日掲載の話も大いに変わっています。山登りをして山の頂上でアイロン(!?)をかける競技をやっている方の話です。もちろん、世の中にはそういう趣味の人がいるかもとは思いますが、それが競技になるほど、愛好者がいるとは。複数人数の心を捉えているということが驚きです。


ちょっと話は変わりますが、そういえば数年前、有名な某コンサルティングファームの代表者が講演会で「楽天はIPOには成功し金は手に入れたが、ビジネスモデルとしては瓦解しているから成功しない」と断言していました。日本でインターネットショッピングが普及した今、その発言を振り返ると他人の意見とはその程度のものなのだなと、失礼ながら感じてしまいます。スポーツでもビジネスでも、はじめは「変わっている」と思われていたのが、だんだん普及して市民権を得るものなのでしょう。


先駆者は理解されずにたいへんだと思いますが、まわりからの、時には心無い意見に惑わされずに、自分を信じてまい進することが大切なのだとつくづく思います。他の人にはくだらないこと(失礼)でも、真剣に取り組めるということは素晴らしいことです。「文化」欄からはそういう信じる力の強さを感じて、勇気づけられています。