第二新卒ブームは終焉に近い。

この数年、第二新卒がもてはやされてきました。が、今、第二新卒ブームは以前ほどの勢いはないと感じています。


先日訪問した証券会社にIPO業務経験のある若い方を紹介したところ、「この2-3年は新卒を大量に採用したので若い層はお腹いっぱい。自ら動けて、かつ若手をマネージできる30代が欲しい」とのことでした。今までのように、「多少金融の経験のある若手はどこでも欲しいはず」という公式は通用しなくなってきています。要は企業は「多少金融経験のある若手」が欲しかったのではなく、「大幅に採用を絞ってしまった95年から03年入社の層を補充したい」というニーズだったわけです。その層はそもそも金融業界にいる人口が大幅に少ない年代ですから、今でも慢性的な不足感です。


新卒ブームの時代に社会人になった方は、新卒のときに楽をした分だけ、転職するときにはライバル多数で苦労することもあることと思います。一方、たった2−3歳差で就職活動が苦しかった今の20代後半の世代は、学生時代は運が悪いなと思ったかもしれませんが、昨年くらいまでは第二新卒でもてはやされたのでは?「人生楽ありゃ苦もあるさ」とはよく言ったものです。一時的な運の差はあれ、中長期の運の平均値をとれば似た値に落ち着くのかもしれません。


いずれにせよ、若くて社会人経験がありさえすれば、もてはやされた第二新卒ブームは程なく終了すると思います。本当の実力世界に入るのでしょうし、それは望ましいことと思います。一層のスペシャリティーが必要と思うこのごろです。