私情を持ち込まない

先日、とあるバイアウトファンドの人に、私の同級生で事業会社のM&Aや事業提携などの経営企画業務をしている人を紹介するため、ご飯を一緒に食べました。特に仕事を一緒にするということではなく、同世代ということで懇親目的ですから話も自然とざっくばらんな話になります。


そのバイアウトファンドの人はそのファンドに転職してとても幸福とのことでしたが、その大きな要因は良好な人間関係なのだそうなのです。そのファンドのパートナーは私もお会いしたことのある人ですが、その人から「過去、僕の下でやめた人間はいない」という話を聞きました。大企業ならともかくファンドのように少人数で運営している組織で過去にやめる人がいなかったのは驚異的なマネジメント力と思います。


その要因をその若手の人に聞いたところ「まだ要因を整理しきれていないけど・・」との前置きつきで、「仕事は厳しいが、あとに引きずらない。さっぱりしているというか。仕事に私情を持ち込んでないということなのかな。」と話してくれました。そういえば松本清張が自伝的著書である「実感的人生論」の中で「感情の中で自己が没落するのをいちばん警戒すべき」という意味のことが書いていたのを思い出しました。感情で処理をしない前出の上司は、感情に自己が没落しないよう、自己トレーニングを積んでいるのかもしれません。どうしたら私情を持ち込まず、客観性を失わずに仕事の日々をすごすことができるんでしょうか。。邪念の排除でしょうか。私は未経験ですが、座禅にチャレンジする人の動機が少し分かるような気がしました。