転職市場での価値

突然ですが、活字を読んだり映像を見るよりも漫画を読むときのほうが脳が活性化すると、以前テレビ番組でやっていました。活字と画像は脳の別の部分が処理するそうで、漫画の場合、両方が刺激されて脳全体が活性化するそうなのです。そういえば、私の周りにも何人か知的で漫画好きな人がいますね。漫画を読むと賢くなるのかもしれません。私はぜんぜん読みませんが、今度読んでみようかなと思ったり。


そんな折、当社に漫画好きの人がいて、一冊漫画を貸してくれました。人材エージェントが主人公の「エンゼルバンク」という漫画です。最初の10ページくらいをぱらっと読んだだけですが、人材エージェントという仕事も漫画家の手にかかると、なんとも劇的な仕事になります(・・。)ゞ


それはさておき、登場人物の人材エージェントのせりふで「すべての物事は相場で決まる、人の価値もそうです、自分で決めるんじゃないですよ、相場が決めるんです」というのが出てきますが、それは実感として納得できます(言葉を修正するなら「人の価値」ではなく「転職市場での価値」ですね)。とある人が、ある仕事をこつこつとやっていたらその仕事のニーズが高まって急に求人が多くなり、仕事内容は変わらないのに転職したら急に年収があがった、というような事例は日常茶飯事です。一方で、去年まで求人が多かったポジションが今年は急に求人ニーズがなくなるという現象もしばしば発生します。どんなに能力が高くても、転職市場での求人ニーズがなければ転職は出来ません。逆に言い換えれば、有利な条件で転職できるか出来ないかは、その人の能力よりも、旬な時期に転職するかどうかのタイミングや転職市場での希少性に依存するところ大です。したがって、転職市場での人気が低くても、落ち込まないでくださいね、人間として駄目と言うことでは全くないのですから。単に「今までやってきたことを活かす仕事が、今現在は少ない」というだけのことで、人間性や能力とは比例しませんので。来年になればニーズが沸騰するかもしれませんし。


他には漫画の中で「30代半ばになって転職を考えている人、辞めたほうがいいですよ!転職価値はゼロ!」という過激なせりふがありますが、これには同意できませんねー。30代半ば以上で未経験では難しいでしょうが、経験をきちんとつんでいれば、むしろ30代・40代のほうがニーズがある職種も多くあります。


といっても、相場は生き物。しばしば動きます。しかし、株式市場のように明確に誰もがわかる相場ではないのが、厄介なところです。その相場をウォッチし、お伝えするのも私たちの役割のひとつと思います。


株式会社コトラ