NHK

突然ですが、高校時代に将来一番やりたかったことはNHKスペシャルを作ることでした。当時、「驚異の小宇宙 人体」などの科学系ドキュメンタリー番組を見て感動し、私もこんなものを作りたいと思ったものです。しかし、当時NHKでの勤務経験のある高校の先生に聞いたところ、地方勤務が多く、勤務時間も不規則でとても大変そうだったので、こざかしくもその方面への道を将来の選択肢から外したのでした。


先日、NHKの取材を受けました。内容は「金融危機から十年」です。私は金融危機当時、社会人一二年目ですから、金融危機を正確に理解しているかどうか怪しく、他の方のほうが適任と思ったのですが、前述のように昔からの憧れがあるのでNHKからコンタクトを頂いたことを光栄に感じ、取材をお受けしました。


さて、取材当日。NHKの方々は朝の十時から夕方の五時半くらいまで、取材に当たられていました。実に七時間半の時間を撮影とインタビューに費やして頂いたわけですが、おそらく放送に使われるのは二分くらいだと思います。NHKの番組は深みがあるのは、第一にかける時間が長いからなのですね。そして、取材陣は取材中に自分の存在を消されるので、取材を受けている側が思わず素の通りに行動させられます。それも上手だなと感じました。


ところで、なぜNHKは取材に時間をかけることができるのかということを不思議に思い、それはきっと制作にかけるお金がたくさんあるからに違いないという仮説を立て、昨日来社した知人と一緒に、インターネットで各社の放送収入を調べてみました。1年間の放送収入はざっくりとした数字で、NHKが6700億円に対して、フジテレビ3200億円、日テレ2700億円、TBS2600億円、テレビ朝日1200億円、テレビ東京1100億円です。使えるお金が民法と比べると段違いに多いのですよ。実際に数字を並べてみると、その違いに結構な驚きでした。良い番組が作れるのは潤沢な資金があるからだと確信し、やっぱり受信料は払わなきゃと思うのでした(^^)