新卒のイベントで思ったこと

昨日はとある新卒イベントを見学しました。ベンチャー企業経営者数人と就職活動中の学生さん数十人が参加し、ベンチャー企業経営者に学生が質問する時間が1時間、学生が自由にチームを組んでビジネスプランを練って経営者にプレゼンテーションする時間が1時間という企画です。


当社が新卒採用活動をしていたときもそうですが、学生は普段社会人があまり気にしていないような事柄、でも意外と本質的な事柄を質問してくるのでとても新鮮です。学生の質問には「今の日本に足りないものは何か」や「人間力とは何か」、「楽しいと思ったことは何か」、「一番大切だと思うことは何か」などがありました。


その後、学生が経営者にビジネスプランのプレゼンテーションをするのですが、はっきり言ってハチャメチャ。ビジネスの経験がなく、ビジネスの基礎を知らない人たちが考えるのですから、当然といえば当然です。何かをやる前は何でも出来るような気がしますが、少し始めると何も出来ないことに気づき、そこからが本当のスタートなのだろうと思います。学生さんには「自分には勉強が足りない」と気づいただけでも大きな収穫だったことでしょう。


話は戻って学生からの質問の話です。
「一番大切なことは何か」との質問にベンチャー経営者たちは「志」「信頼」「誠実さ」「夢」「魂」などの回答をしていましたが、横で聞いている私も思わず、自問自答。はて、一番大切なことは何だろう?

私は「学ぶこと」ではないかと思います。志があっても無知であれば間違った行動を起こし、やる気があればあるほど狂気の人になることもあります。学べば、誠実さ=真摯さを身につけていくことでしょう。意欲的な学生が空回りしているのを見て、学ぶことの重要性を実感し、自分自身も大いに反省したのでした。


そんな中、ふと、福沢諭吉先生の「学問のすゝめ」を思い出し、家に帰り読み返してみました。その本のタイトルどおり、学問を勧めた内容です。昔学校の授業で読んだときはあまりよく分からなかったのですが、やっぱり素晴らしいことが書いてあります(名著の概要をここでお伝えするのは難しいので、自分で読んでくださいね)。もっとも学問といっても現実に即していない虚学ではだめで、現実に活かせる学問を大いに行うべし、という内容が繰り返し出てきます。学問すると、どうも行動できなくなることがありますからね。「学習結果を世に活かす」ことを忘れぬようにしたいと思うのでした。