NHK

先日、マスコミで政治関連の仕事をする友人と話していたときに、NHKの話になりました。友人いわく「NHKは与党と親密であるから選挙前は与党の主張と違う内容の番組を流さないと言われているのに、最近は与党の主張と違う見解の番組を放送しておりビックリしている」というのでした。


ひとつはドラマ「ハゲタカ」。あらすじは「日本的銀行員だった主人公が貸し渋りにより取引先の社長を自殺に追い込み、それをきっかけとして逃げるようにアメリカに渡ったが、アメリカのハゲタカファンドで成功して、日本に逆上陸。最初は日本社会との軋轢を生みながら、アメリカ流を通そうとするが、日本的義理人情、日本的経営の良さに触れるうちにかつての自分を思い出し、日本的経営を大切にするミッションのファンドを立ち上げ、そのファンドを活用して日本企業を復活させる」というものです。大昔に日本が中国から漢字を取り入れ自分たちの言葉にしたように、資本主義も日本流にカスタマイズして取り入れるべし、というテーマだと私は感じました。原作の触りも読みましたが、主人公の設定がかなり異なっていましたので、ドラマ制作者の意図が強く反映しているのかもしれません。


もうひとつは、中国の都市部と農村部の格差がテーマのNHKスペシャル激流中国」。マネーゲームに興じる都市部の富裕層と貧困ゆえに家族離散する農村部の格差をかなり強調した番組でした。視聴者の多くは「行き過ぎた資本主義・自由競争は不合理な格差を生み出し、恐ろしい」という感想をもっただろうと思います。


確かに「自由競争で社会に活力を」という自民党の主張ではなく、「自由競争を見直し格差是正を」という民主党をはじめとする野党の主張に近いのかもしれません。


私は上記2つとも見ましたが、政治には詳しくないので、政治と絡めて見ることはありませんでした。番組にも思想や意図があり、見る人によってはその隠された意図を感じようとするものなのだなと、友人の感想に関心しきりでした。