プリンシパルインベストメント(Principal Investment)の話

今日は長銀時代の先輩と飲みました。


最近、証券会社のプリンシパルインベストメント(Principal Investment、PI)が活発化しているという話になりました。

現に某証券会社でもPIチームが先々月あたりに新たに立ち上がったのだそうです。
その証券会社では別にPI部隊がいるはずだけど?と思ったら、どうやら元からあった部隊とは別に新しいグループを作ってもいいよと言われたMDのもと、新しいチームが出来たようです。
メンバーのバックグラウンドにより、Pubulic Equity寄りなのか、ディストレス・メザニン寄りなのか、Private Equity(プライベートエクイティ)中心なのかなどの差はあれ、本質的には同じ仕事をしている様子なので、政治的・人事的な背景なのかなと推察します。それともいくつものチームを作る許可が出るほど、証券会社はプリンシパルインベストメント業務に積極的ということなのでしょうか。


いずれにせよ、一般に最近の外資系証券でのPIは、プライベートエクイティ(Private Equity)、 Public Equity、NPLs、SPLsにも投資し、 メザニンファイナンス(Mezzanin Finance)もするという、機会があればフレキシブルに投融資を行うスタンスです。


PE投資を行う場合にも、連結になることは嫌いますから、20%未満のマイノリティー出資です。そこにはハンズオン(hands-on)という概念は殆どなく、純粋なFinancial Investorです。


先輩いわく、機会があればフレキシブルに投資を行う上記PIの投資スタイルで重要なのは、バリエーション(Valuation)だとのこと(ちなみに、一般的には株の評価は”Valuation”といい、債権の評価は”Pricing”といいます)。


Public EquityとPrivate Equityの分析方法は当然違うのでしょうが、どちらか一方のみの経験で他方のバリュエーションも出来るのかと聞いたら、お互いに他方の分野も出来ると言うんじゃないか、との見解でした。本当に出来るのかは、個人差や組織の体制に寄るのでしょう。


デューデリジェンス(Due Diligence)の人は、バリュエーションは出来るのかとの質問に、若ければ素養があってバリュエーションに転向できる人もいるだろうが、デューデリはパーツのみを見る作業も多いので、デューデリのみが長いキャリアの人はバリュエーションへの転向は難しいんじゃないか、との回答。納得。


業界の業務内容は本だけではなかなか理解が深まらないので、実際にやっている方に聞くのは本当に良い勉強です。また、ここには書けないような内容も聞けるのも、この仕事の醍醐味でしょうね。