労働市場の効率化についての意見の続き

さて、先日の労働市場の効率化についての意見の続きですが、転職機会に慣れた世代が50代、60代になったときに、ひとつの働き方として個人事業主のような形で、組織に属することなく自分の知識や経験を社会に還元することが増えるのではないか、と書きました。例えば独立コンサルタントとして、ISOの手伝いをするとか、システム導入の手伝いをするとか、そんなイメージです。


しかし、企業と比べて一般に個人は信用度が低いので、結局知り合いのつてで仕事を取ることになります。それでは本当に職人のようにすばらしい技術や知識を持っている人でも、つてがなければ仕事がないという状況になってしまいます。技術や知識を持っていたとしてもつてがあるかどうかはまた別の話ですから。


そういった個人事業主として独立する人に対して信用力を付与する仕組みがあればいいなと思います。例えば、会社員時代に○○の仕事を実績30件、納入までの期間は平均20日、仕事完成率は98%といったような、いわば「成績表」のようなものを会社側が発行し、それを集めてオープンにする機構があれば実現可能なのではないでしょうか。タクシーの世界でも個人タクシーは信頼性が高いのは、法人タクシーで10年以上働いて、5年以上無事故の人に資格が付与されるからです。それと同じで、仕事を発注する側は実績に基づく「成績表」情報を仕事発注のひとつの判断材料にすれば、発注企業も個人に対してより多くの仕事を発注するようになるのではないかと思います。企業にいる間も独立の際に有利な「良い成績」を取りたいために、より一層仕事に精を出すので、企業にとってもいい話。


また、今、仕事をしっかりやっていれば、将来の展望は明るいと感じることができれば、若い世代も将来に不安を感じることが少なくなりますから、モチベーション付けにもなると思います。


といっても、言いだしっぺの企業がやらなければ、他の会社も実現しようと動かないので、経済諮問会議のようなところでは議題には上らないでしょうねー。大企業がやるには相当なハードルがあると思いますもの。